アダルトチルドレンとは、安全な場所として機能しない家族の中で育ち、それにより人間関係の問題や生きづらさを抱えている人たちのことです。

問題を自覚してから回復し、新しいコミュニケーションとして行動していけるまでには、各段階のステップを踏む流れが存在し、それはカウンセリング全般の経過にも共通する場合もあります。

経過にかかる時間は人それぞれですが、家族が安全基地ではなかった人が安心感を育てていくには段階が必要になってくることを実感しておりますので、その流れを意識して回復を目指していきます。

基本的にご自身でAC、またはその可能性があると認識している方への回復の流れですが、カウンセリングの途中からこの流れに入ってくるというケースもあるかと思っています。
ご自身が「自分はACだ」と感じれば、ACと認識し回復をはかることが効果的だと考えます。

回復・成長にかかる時間は人それぞれ異なってきますが、それぞれ数か月~数年単位でクリアにされていく方がいらっしゃいます。

カウンセリングの時間の中でできることと併せて、ご自身で家に持ち帰ってやっていただくワークなどもお伝えしますので、ご自身の余裕のあるお時間を使って回復に向けた流れを進めることができます。

1. 苦しい部分の吐き出し(過去の自分を認識する)

*現状・過去の問題を確認する
*自分の家族を振り返る
*自分の傷・痛みを認める
*家族の機能不全さから受けた影響を認識する 等

現状の中で苦しくなっていること、過去の嫌だったこと、印象に残っている場面などを時系列の関係なく表現していただきます。ここでは、ご自身に良い悪いなどの判断を一度脇に置いていただき、どういうことが起きたのかを言葉、文字等で表出してもらいます。
出てきた一つ一つの場面が、その後のビリーフに繋がっていることのある重要な出来事として捉えていきます。

事実としての確認をし、こころが傷ついたこと、それによりどんな生きづらさが今の生活中に出てきているのか、関係しているのかを見ていきます。

苦しくなっている部分、何が問題になっているのかということを少しずつまとめていきます。

自らがアダルトチルドレンの一人であるという認識をしていただく事が、苦しみの成り立ちへの理解、癒しにつながることがありますが、ご自身が因果関係を客観的に掴むことができない状態、はっきりとした機能不全ではないという認識の方も多いと思います。

他の大変な家庭と比べて、ということではなく、ご自身をしてどう感じているかということが大切になってきます。自分の家族が機能不全であったことを認めていいのだということ、3世代に渡ってその不全さが続いてきてしまったという背景など、意識していけるといい点だと思います。

2. 自分を癒す時間を作る

*言えなかったことを口に出す
*自分を受け入れる(自分に労いの言葉をかける)
*新しい過去を作る(言ってほしかった、してほしかったことをイメージで体験)
*インナーチャイルドを癒し、育てる

家族には話せなかった、話したくなかった思いを言葉にすること自体に浄化作用があります。

家族に言いたかったこと、本当はこうしてほしかった、こう言ってほしかったということを表現していきます。

十分に涙を流すこと、嘆き悲しむこと、怒ること、出てきた感情をそのままに出す時間をとります。

涙が出る、怒りが沸いてくることについて、言いたいことを手紙にしてみるのもよいです。(出さない手紙でもよいです。)

インナーチャイルドワークを用い、イメージ、もしくは絵によって、〔話しかける、気持ちを聞いてあげる、抱きしめる〕インナーチャイルドを癒し、その変化を見守ります。

現在の自分(大人の)または、理想の両親にしてもらいたいことをしてもらう、言ってもらう安心感をイメージの中で感じてみます。

生まれてから今にいたるまでの、経過とその都度の感情を文章、または、年表にして書くことによって新たな気づきがあることもあります。自分をいたわる手紙を書いてみるのも良いでしょう。

※1と2の過程で、抑圧されていた感情、体感などの噴出を経験されることがありますので、医療機関を必要とされる方もいらっしゃいますが、基本的には、必要があって出てきている感情であり、出せるタイミングをみて、表出させていくことが大切なことになってきます。感情の揺れも長く続くということではありませんが、ご心配があるようでしたらカウンセラーにご相談ください。

3. 自分の軸を育てていく

*自尊心を育てる(アファメーションを作る・自分の世話をする)
*コミュニケーション方法を学ぶ(怒りへの対処・Ⅰメッセージ他)
*実際の行動を変えていく(嫌な時にNoを言う 他)
*人生のビジョンを設定する

機能不全な家庭で育ったACは、健全な思考、感情の処理、コミュニケーションの仕方を身に着ける機会がありませんでした。
新しい人間関係を作っていくためには、新しい技術の練習が必要となってきます。(少しずつで大丈夫です。)

自分が自分の理解者として、感情をつかみ、表現すること、自分の気持ちを他者に説明することを実際の生活の中で実践していきます。

大まかではありますが、回復のステップとして表記いたしました。

このステップを進む過程には、安心して気持ちを表出させられる場所が必要になってきます。
カウンセリングがクライエント様の安全の場となるよう務めていきます。

 

予約をする(空席確認)

青柳裕美のカウンセリングのご予約確認(24時間対応) ※お電話によるご予約は、 電話による予約方法(フリーダイヤル)でご確認ください。